データ分析・療育効果の検証
(データ結果から決める指導方針)

記録をする様子 データ分析の様子 記録を閲覧する様子 シートに記入する様子

客観的データから次の一手を得る

私たちは、子どもが訓練する課題全てに対して、映像と行動記録をとり、主観的判断ではなく、客観的データを基にしながら課題を進めていきます。また、行動査定による発達状況の確認や療育効果の検証も定期的に行い、全体の指導方針についてもデータを基に決定していきます。

これまでの療育の成果

療育開始時に言葉の遅れのある2歳から5歳までの子ども(うち、言葉を全く発声できない子どもが全体の8割)の約88%が単語レベルまでの到達と改善、また、そのうち約63%の子どもが会話レベルまでの到達と改善を示したデータ結果を得ています。
さらに、当方の療育を受けた子どもの約50%が通常学級入級措置レベルまで改善される結果に至っています(2022年現在)。

EIBI(早期高密度行動治療)を受けた3人の自閉症幼児のアウトカム報告

男児A

開始年齢 1歳6ヵ月
指導期間 18ヵ月
週平均指導時間 15.7時間
インテイク
(開始時の様子)
  • 小児科医から自閉症と診断。
  • 新版K式発達検査で言語分野62の結果。
  • 意味のある言葉はなく、自発での発声が少ない。
  • 言語での応答を要求すると、下を向いたままになる。
  • 適切なおもちゃ遊びができない。
  • 強いこだわり、癇癪行動がある。
データグラフ 男児Aのデータグラフ
アウトカム
(終了時の様子)
  • 田中ビネー検査IQ115の結果。
  • 小児科医から自閉症ではないと診断。
  • 大人と通常のスタイルで会話ができる。
  • 自発で複雑な言語報告行動ができる。
  • 自分の言語ルールに従って行動できる。
  • 一人でトイレができる。
  • 特に目立つ問題行動はない。
就学措置 普通学級

女児B

開始年齢 3歳8ヵ月
指導期間 18ヵ月
週平均指導時間 14.3時間
インテイク
(開始時の様子)
  • 小児科医から自閉症と診断。
  • 意味のある言葉はなく、喃語、奇声。
  • 注目が定まらず、自己刺激行動がある。
  • 要求時は指差し、手を引っ張るが、要求が通らないと大声を出す、泣き出す等、癇癪行動がある。
  • 適切なおもちゃ遊びができない。
  • トイレができない。
データグラフ 女児Bのデータグラフ
アウトカム
(終了時の様子)
  • 大人の指示に従って行動できる。
  • 人の目を見て受け答えができる。
  • 喃語、奇声がなくなり、二語文以上の言語で要求することができる。
  • 一人でトイレができる。
  • 斜視と指合わせの自己刺激行動が残る。
就学措置 通級(普通学級⇄特別支援学級)

男児C

開始年齢 2歳6ヵ月
指導期間 24ヵ月
週平均指導時間 11.8時間
インテイク
(開始時の様子)
  • 大人の言語指示に対して、従事することができない。
  • 視線を合わせることができない。
  • 大人の各種行動に対して模倣ができない。
  • 意味のある発声や表現がない(喃語のみ)。
  • 理解言語がない(物や人の名前への反応がない)。
  • おもちゃ本来の目的に沿った遊びができない。
  • 癇癪行動で要求を伝えている。
データグラフ 男児Cのデータグラフ
アウトカム
(終了時の様子)
  • 三語文での要求ができる。
  • 「ちょうだい」→「どうぞ」→「ありがと」等、簡単なやりとりができる。
  • 一人でトイレができる。
  • 公園遊び、買い物、公共機関の利用等、適切に屋外活動ができる。
  • 自発的な言語の使用が少ない。
就学措置 特別支援学級

言葉がない/言葉の遅れのある子どもの
言語改善の割合

言葉がない/言葉の遅れのある子どもの
言語改善の割合の円グラフ

EIBI後の
就学状況

EIBI後の
就学状況の円グラフ
※EIBI開始年齢平均:3歳2ヵ月
(最年少:1歳6ヵ月 ー 最年長:4歳7ヵ月)