早期集中・高密度の療育
(専門家チームによる毎日のABA指導)

療育の様子 屋外での療育の様子指導の様子療育(買い物)

誰がどのように教えるのか

一人の子どもに対して、2〜3名のABAの専門家スタッフがチームを編成し、週5日以上の集中した指導を行います。集中・高密度=教育の量が行動改善の重要な変数となっているため、可能な限り、より多くの時間を子どもの指導に当てます。

どんなことを教えているのか

私たちは、子どもの行動全てを対象とした包括的カリキュラムによるプログラム=基礎的な行動スキル(模倣や言語など)だけでなく、将来生活する上で必要となる行動スキル(買い物や公共機関の利用など)まで、幅広いカリキュラムで構成されたプログラムを提供いたします。また、子どもの癇癪や自傷等の問題行動を消去し、大人への指示従事を徹底して学習させ、ご家庭の日常生活場面でも落ち着いた行動ができるようにしていきます。そして、最終的には、個別から集団活動場面への移行として、保育園や幼稚園への統合指導や般化学習を行い、集団社会のルールで行動できるようにしていきます。

言語を獲得させることを第一に

私たちは、軽度/重度の子どもにかかわらず、包括的カリキュラムの中でも、特に言語の獲得に力を入れて指導していきます。言語の獲得は、子どもの発達に欠かせない要因であり、言語を獲得させることで、癇癪行動の減少、他者との相互作用の促進、感情表現や社会的スキル、さらには、セルフコントロールなど、自立した社会生活を送るために必要となる数多くの行動スキルが学習できるようになります。
発語がない、喃語や奇声のみで意味のある言葉がない、突然言葉がなくなった(今まで言葉が出ていたのに)、さらには、医療機関から言葉の遅れがあると指摘を受けているなど、子どもがどんな状態でも、これまでの先行研究ならびに科学的かつ体系的な言語プログラムを通して、言語を獲得させていきます。

非科学的な誤った対応は一切しないこと

焦らずゆっくりありのままで良い、子どもの興味関心や主体性を大事にしたい、子どもの気持ちに寄り添う、無理をさせると子どものストレスになる、とても聞こえも良く、言うのも簡単です。ただ、それらに科学的根拠はなく、これまでの研究論文や専門的知見では、逆に子どもを悪化させてしまう対応となっています。むしろ、幼児期にやるべきことを徹底して学習させなければ、5年後10年後に、他者と話をすることができない、感情をコントロールすることができない(癇癪、他害、奇声、自傷等→強度行動障害の二次障害へ発展)、親の補助がないとトイレや食事/移動や買い物ができない、こうした今以上に辛い状況に直面することになります。

専門機関のメリットとデメリット

一人の子どもに複数の専門家が配置される指導体制のため、また、公金負担の福祉サービスとは異なり、全額自費となるため、短期間でも、その費用負担が大きくなってしまう面があります。そのような一面から、専門機関の療育サービスに否定的な見方が生まれてしまうのも事実です。一方で、費用負担がないよう、児童発達支援事業所等の公金負担の福祉サービス施設を利用することは、経済的にも大変便利であり、子どもが施設で自由に過ごすことができる、または、預かってもらえるだけでも十分だと思うかもしれません。ただ、残念ながら、単に行政からの公金目的で運営されている施設が多いため、専門性の欠如、人材不足、杜撰な個別指導計画など、そもそも療育そのものを提供できるような場所になっていないのも事実です。

これまでの研究では、子どもの行動改善において、幼児期が一番重要な時期とされています。そのため、その限られた時期/時間にこそ、専門性かつ質のある療育を徹底させ、積極的に行動改善をさせていく方が、長期的に見ても費用対効果が高く、保護者の体力的かつ精神的な負担まで軽減させることができます(例えば、小中学生になってから行動改善に取り組む場合、倍以上に時間、費用、労力がかかります)。

療育は、一面的ではなく多面的に捉える必要があります。実際には、専門機関での短期集中的な指導の方が、子どものライフスパンで考えた場合、今後の費用負担を最小限に抑え、将来的にも数多くのメリットを享受することができます。